原田 短編集 原田母窓の外は雪混じりの雨足だった。少し遠くに聞こえる車の往来はまだ幼かった頃の我が家の前の道を彷彿とさせた。そこには大きな木が何本も生え、大きな窓のむこうにカーテンとなって存在していた。それはもうない。津波で塩害の犠牲となった木々の多くは... 2022.10.04 原田