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ナタリー爆川 満244歳

天野戦慄堂

天野満空き家で肝試し あるカップルが、肝試しに行った。場所は町外れの空き家。そこは瓦屋根の二階建ての家で、何年も放置されたまま、すっかり荒れ果てていた。 噂では、夜、屋敷の中に置いてある鏡を覗き込むと幽霊が映り込むのだという。 二人は庭に生...
ナタリー爆川 満244歳

かますケーション・ブレイクダウン

天野満 コミュニケーション能力不足が俺の人生を脅かしている。 「コミュ力不足」についての懸念は、幼少の頃に俺の中に芽生え、人と接する機会が増えた大学時代に顕在化し、寝ても覚めても俺を苦しめるようになった。 もちろん、俺とて、ただただ手をこま...
ナタリー爆川 満244歳

弁天、グッドラック、弁天

天野満 俺は逃げているだけなのか、それとも立ち向かっているのか――。 悶々として眠れない夜、枕元で弁才天が歌を歌ってくれた。「なるようになりますさかいに」 関西弁で言うのであれば、そういう旨の歌詞で、かぶと虫の名を冠した世界的に有名なグルー...
ナタリー爆川 満244歳

抜け猫たちの世界へ

天野満 快活な人生を送りたいと思って生きてきたのに、いつの間にやらカツカツな人生を送っていた。 学校では成績が良くなくカツカツ、仕事でミスしてカツカツ、意中の人に振り向いてもらえなくてカツカツ、と硬質な音が生活の中に溢れかえっていたのである...
ナタリー爆川 満244歳

密着ドキュメンタリー番組 『テラの西日』(活字版)

制作・著作 MHK総合テレビ文章 天野満【第三百二十六回】 文学の暗殺者! ~小説家・天中頃ス 密着インタヴュー~ 「ワシが退屈な文学を殺すんじゃあ!」 そんな、熱き思いを胸に、今日も文学の荒野をひた走る男がいる。 某県某所。 寒風の吹きす...
ナタリー爆川 満244歳

不酔の細道

天野満 大通りを行く。 華やかな商店の明かりや、せわしなく行きかう車のヘッドライトに照らされて、夜の通りはまるで昼間のように明るかった。 俺はどこに行くのだっけ。わからない。ただ、どこかに行かなくてはならないことはわかっている。だからこうし...
ナタリー爆川 満244歳

真の動機、心の旅

天野満「なんで俺、書き物やってんだろ?」 新年早々、執筆に行き詰っていたら、大変重要なことに気が付いてしまった。 自分が書き物をする理由が全く思い浮かばないのである。正確には、理由があるような気がするのだが、上手く説明出来ないのであった。 ...