歌集 2020年8月

猫を抱く
  同じ鼓動では生きられぬ僕らいまは等しく温か

 犬を飼っている。本当に可愛い。なんでこんなに可愛いのかよ、と思わず歌ってしまうくらいに可愛い。もしも大泉逸郎に生まれ変わったら、デビュージングルは「犬」にしよう。ヒット間違いなしだ。
 犬がどうしてこれほどまで可愛いのか、調べてみると、どうやら「犬は狼のネテオニ-(幼形成熟:幼い頃の性質を色濃く残したまま成長する状態)である」との学説があるらしい。確かに、犬のあの純粋な目や、無邪気に遊ぶ姿は、幼い子ども特有の愛くるしさである。それを生涯持ち続けるなんて、可愛くないわけがないのだ。
 ここまで犬の話をしてきたが、歌の中では猫を抱いている。「いや猫なんかい!」と、イマジナリー相方にツッコまれたので一応説明すると、うちの犬は室内飼いではないため、「抱く」という行為には猫のほうがしっくりくるのである。そして大事なことだが、猫も犬と同じくらい可愛い。
 ちなみに「ヒトはサルのネテオニー」という学説も存在するらしい。だが、それにしては人間が可愛くなさすぎるので、私としてはあまりしっくりきていない。それに、人間の目は年を取るほどに濁っていくではないか。

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