ほろほろほろろ 代償 ほろほろほろろ 夢を見た。車に撥ねられる夢だ。 気付けば俺は通い慣れた通学路の一角を歩いていた。高い塀で縁取られた静かな住宅街。だが、周りの景色はすりガラス越しのようにあやふやで、遠のくほど白くぼやけていく。俺が前へ足を踏み出すと、前方のも... 2021.08.16 ほろほろほろろ
ナタリー爆川 満244歳 かますケーション・ブレイクダウン 天野満 コミュニケーション能力不足が俺の人生を脅かしている。 「コミュ力不足」についての懸念は、幼少の頃に俺の中に芽生え、人と接する機会が増えた大学時代に顕在化し、寝ても覚めても俺を苦しめるようになった。 もちろん、俺とて、ただただ手をこま... 2021.08.16 ナタリー爆川 満244歳
マサユキ・マサオ 人の脱糞を笑うな マサユキ・マサオ それは社会人一年目の春のことです。 輝かしい夢も希望も二週間程で挫折した私は、社会に絶望し、かといってすべてを投げ出す勇気もなく、干からびた魚の目をして日々仕事に勤しんでいました。 そんなある日のこと、無意味な営業をサボっ... 2021.08.16 マサユキ・マサオ
ほろほろほろろ 優しい嘘つき ほろほろほろろ 人の心がどのように生まれるか、皆さんはご存じでしょうか? ここは人の心の中。嬉しい、悲しいなどの様々な感情や、あれがしたい、これがしたいという欲求の生まれる場所。これらは決して無から生まれるわけではありません。これらの源とな... 2021.08.16 ほろほろほろろ
ナタリー爆川 満244歳 弁天、グッドラック、弁天 天野満 俺は逃げているだけなのか、それとも立ち向かっているのか――。 悶々として眠れない夜、枕元で弁才天が歌を歌ってくれた。「なるようになりますさかいに」 関西弁で言うのであれば、そういう旨の歌詞で、かぶと虫の名を冠した世界的に有名なグルー... 2021.08.16 ナタリー爆川 満244歳
福原大輝 嘘の五索(ウーソー) 福原大輝 南四局オーラス。最終局だった。 タツヤは山の中から一つ、麻雀牌を威勢よくつかんだ。それを手元にある十三牌の中に加え、その中から不要な牌を一つ選んで捨てた。麻雀はこの「ツモる」動作と「切る」動作を繰り返し、自分の手の中で役を作り上げ... 2021.08.16 福原大輝
ほろほろほろろ 心蝕虫 ほろほろほろろ 自宅のある古いアパートに虫が住み着くようになったのは、つい一週間前のことだったと思う。 初春の穏やかさも忘れるような仕事からの帰り道は、手を伸ばした先すら危ういほど深い闇に包まれていた。ぽつり、ぽつりと立つ街灯の頼りない灯が... 2021.08.16 ほろほろほろろ
ナタリー爆川 満244歳 抜け猫たちの世界へ 天野満 快活な人生を送りたいと思って生きてきたのに、いつの間にやらカツカツな人生を送っていた。 学校では成績が良くなくカツカツ、仕事でミスしてカツカツ、意中の人に振り向いてもらえなくてカツカツ、と硬質な音が生活の中に溢れかえっていたのである... 2021.08.16 ナタリー爆川 満244歳
山中隆司 神様の箱庭 かつて八百万の神様たちは自身が支配する領地を巡って争った。争いは名前を口にするのも憚られる高位の一組の神様がこれは民のためではなく己の利益のために争っているとの発言したことにより争いは終結し神様ごとに任地が決められ 2021.08.16 山中隆司
ナタリー爆川 満244歳 密着ドキュメンタリー番組 『テラの西日』(活字版) 制作・著作 MHK総合テレビ文章 天野満【第三百二十六回】 文学の暗殺者! ~小説家・天中頃ス 密着インタヴュー~ 「ワシが退屈な文学を殺すんじゃあ!」 そんな、熱き思いを胸に、今日も文学の荒野をひた走る男がいる。 某県某所。 寒風の吹きす... 2021.08.16 ナタリー爆川 満244歳